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【ライバルズ】ソロバトルアドベンチャーが失敗した理由(課金システム編)

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DQライバルズエースがサービス終了となってしまった直接の原因であるソロモードの失敗について、いちユーザーの視点で分析してみようという記事です。

前回の記事にも書いたように、失敗の要因は大きく以下の3つだと考えています。

  • ゲームバランスの問題
  • 課金システムの問題
  • ゲーム品質の問題

今回の記事では、課金システムの問題について分析していきます。

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目次

課金システムの問題点とは

DQライバルズエースのリリースに伴って追加されたソロモード。これは二木Pのコメントにもあったように、対戦ゲームとしてのビジネスモデルに限界が来たことで課金システムをいわゆるP2W型に転換するという狙いがありました。

DQライバルズエースになってから、英雄カードを錬金可能にするといった緩和によって従来の対戦モードは無課金に優しい設計となり、運営はソロモードの収益に相当期待していたものと思われます。ところが、ソロモードの売り上げが伸び悩んだ結果、ライバルズはサービス終了に追い込まれることとなってしまいました。いったいソロモードの課金システムにどういった問題があったのでしょうか。

ガチャ限定カードの性能の調整に迷走

ガチャでしか入手できない勇者専用カードというものがあり、これが課金させるための最大の原動力となるはずでした。しかし、勇者専用カードの適正な性能の調整に迷走してしまい、ユーザーが課金したいと思えるような丁度良いバランスに着地できなかったように思います。

第2弾ピックアップまでの勇者専用カードは、個人的にはまずまず良いバランスの強さだったように思います。例えば第1弾ピックアップのロトの鎧は、テンションスキルをライデインに変更する効果があり、1枚で戦況を大きく変えることのできるカードになっていました。また、第2弾ピックアップで登場したタバサは、一度使った特技を回収して再利用できるというテクニカルかつ実用的なカードでした。このように、1枚でも入手すれば効果的に使っていける実戦的なカードが多い印象でした。

ただ、1枚でもあれば強いというのが収益的にはよろしくなかったのかもしれません。売り上げの伸び悩みに焦りがあったであろう運営は、第3弾ピックアップパックで大きく方針を転換。第3弾の勇者専用カード(轟く雷鳴稲妻の剣、ルビスの守り)は、限界突破することで初めて強く使えるような性能でリリースしてきました。しかし、1枚入手するのに数万円もかかるようなカードを複数枚入手できる人が果たしてどれだけいたか。限界突破しなければ使い物にならないような課金カードなんか要らぬと、最初から見切りをつけてしまった人が多かったのではないでしょうか。

普通のソシャゲとは違ってライバルズはカードゲームなので、限界突破によってカード単品の強さを高めなくとも、バトルの中で他のカードと組み合わせてシナジーを発揮させることで何倍も強く使えるという特徴があります。そのため、プレイヤーとしては限界突破させてまでカード強化したいと思う動機が薄くなりがちです。勇者専用カードの設計がこうしたユーザー心理とうまくマッチしていないという側面があったとは思います。

1枚で弱すぎるカードは売れないと反省したのか、次のカードパックで運営はまた方針を転換。次のカードパックはDQ10とのコラボになっており、勇者専用カードの天雷の勇者アンルシアが登場しました。これはかなり規格外なカードで、ステージ周回からボス攻略まであらゆる場面で大活躍し、彼女がいるかどうかで体感的なゲームの難易度が変わると言っても過言ではないほどでした。このカードはユーザーの垂涎の的になりましたが、持つ者と持たざる者とでユーザー間の格差が拡大。また、それ以降にリリースされた勇者専用カードが、天雷の勇者アンルシアと比較するとどうしても見劣りしてしまったというのも問題でした。天雷の勇者アンルシアで一時的に売り上げは上向いたでしょうが、それがゲームの寿命を縮める結果を招いてしまったのかもしれません。

このように勇者専用カードの歴史を振り返っていくと、運営の迷走ぶりが浮き彫りになります。迷走と言えば、弱かった勇者専用カードが後になって基本性能を上方修正して再販されたようなケースもありました。ただ、こうした運営の気まぐれとも思えるような方針転換の連続はかえってユーザーに不安を募らせることにつながったのではないでしょうか。新たな勇者専用カードがリリースされても、「もっと強いカードが出るかもしれないし…」とユーザーを疑心暗鬼にさせるような前例を作ってしまったのは大きな痛手でした。

せっかく手に入れた勇者専用カードを気持ちよく使えない

性能の調整に苦戦したとは言いつつも、やはり通常カードとは一線を画す強さを持つのが勇者専用カードです。課金して入手したからには、存分に使って強さを堪能したいと思うのが当然の心理です。ところが、せっかく手に入れた勇者専用カードを気持ちよく使わせまいとする残念な仕組みがありました

ソロモードのエンドコンテンツと言えば試練の間です。勇者専用カードを活躍させる絶好の機会であるはずの試練の間ですが、特技や武器を使わずに勝利するとボーナスポイントが付くという設計になっていました。逆に言えば、特技や武器扱いの勇者専用カードを使うと逆にポイントが下がるということ。せっかくの勇者専用カードなのに使うとポイントが下がるというのは、ユーザーに大きなストレスを感じさせることになってしまっていました。「○○を使用せずに勝利」という評価項目は、特殊な制限攻略を考える人のためだけのボーナス加点要素だと運営は考えていたかもしれませんが、実際のところ特技や武器を採用しない構築は普通にあり得るだけに、特技や武器を使うとマイナス評価という印象が強かったです。そのため、特技や武器の勇者専用カードが最初から見向きもされない存在になってしまっていたのが大変残念でした。

高得点を出しても何もない

課金勢にとっては、課金して収集したカードを使って何らかのリターンが欲しいと思うはずです。しかし、ライバルズのソロモードにはそういった課金者向けのご褒美が全くありませんでした。例えばDQウォークの場合、ほこらのスコアランキングで上位に入賞するとプレイヤー名がゲーム内に掲載されたり、特別な称号をもらえたりします。ライバルズのソロモードでは、リリース当初はそういった要素は一切なく、しばらく経ってから試練の間の得点ランキングをひっそりと公開するようになったのですが、上位入賞しても何かをもらえたりはしませんでした。

得点ランキングで上位入賞したときに称号のひとつでももらえていれば、課金するプレイヤーの人口も増えていたのかなと思います。ライバルズの良さはドラクエファンを唸らせる美麗で秀逸なイラストや演出にありますから、ちょっとした限定デザインのアイコンとか称号とかをもらえるだけでも結構うれしいと思うんですよね。

カスタマイズできない勇者

ソロモードでは、勇者専用カードの入手のためにカードパックを買わせるというのが実質的に唯一の課金ポイントになっていました。この勇者専用カードがいまひとつユーザーに対する訴求力に乏しかったため、結果的にソロモードが収益面で総崩れになってしまいました。

もし、他にも課金ポイントが用意されていたなら、別の未来があったかもしれません。例えば、カードではなく勇者そのものを課金で強化するようなシステムです。ドラクエファンは基本的に自分のキャラを育てるのが好きなので、カードをコレクションすることよりも直接的にキャラの能力値を増やしたい人が多いと思うんですね。課金限定の装備品を購入すると勇者のHPが増えるとか、そういう要素はあっても良かったかもしれません。

また、勇者のグラフィックが「ロトの血を引く者」で固定されていたのも勿体なかったように思います。もし課金限定のスキンを購入すると女性バージョンになるとか、装備品を買うと見た目が変わるとかいった要素があれば、結構売れたのではないでしょうか。もちろん開発コストも相応にかかることですし、それだけの投資をするほどの体力が残っていなかったのかもしれませんが、美麗な演出というライバルズの長所を生かせるポイントなだけに惜しいと感じてしまいました。

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