こんにちは、けい坊です。
DQけしケシが7月31日をもってサービス終了との発表がありました。特にここ最近は盛り上がりに欠けていましたし、いつサービス終了になってもおかしくない状況だっただけに、突然の発表にも特に驚きはありませんでした。ただ、リリース初日から続けてきたゲームでしたので一抹の寂しさはあります。
DQけしケシのサービス終了に対して、思うことを書き綴ってみたいと思います。
課金システムの設計ミス
DQけしケシは、ゲーム内で獲得できる「ゴールド」でガチャを引くことができるシステムでした。課金して購入する通貨とゲーム内通貨が共通化されているので、時間を費やしてステージを周回すれば課金しなくてもガチャが引ける仕組みでした。このバランスが成立していたのは、スタミナに限りがあり、無尽蔵にゴールドを稼ぐことはできない前提があったからだと思います。
このバランスが崩れたのは、リリース直後に行われたフレンド枠追加のアップデートでした。当初はフレンド枠が最大10人だった記憶ですが、アップデートにより最大20人に拡張されました。これによって、フレンド枠を最大限活用することで、スタミナが実質無制限に受け取れるようになり、スタミナの価値が暴落。時間さえかければいくらでもゴールドが稼げる状況が生まれました。
「限られたスタミナを大切にしてステージクリアを目指すゲーム」から「大量のスタミナを効率的にゴールドに変換することを目指すゲーム」に変わってしまったように思います。けしケシにパズル性を求めていた者は去り、コツコツとゴールドを稼ぐことが好きな者だけが残りました。ゴールド稼ぎのガチ勢の中には無課金でも毎週最新のガチャを回し続けられるだけの鬼周回をやり遂げる猛者も少なくなく、ユーザーロイヤルティという点では一定の成功ではあったものの、収益性を考慮すると痛しかゆしだったのではないかと推測します。
収益性改善のために、運営はさまざまな施策を繰り出しました。その1つが「バトケシ!」であり、スタミナ回復を有償ゴールド限定にすることで課金を促す戦略でしたが、「バトケシ!」自体の不評も相まってあまり成功したとは言えませんでした。そして、遂には★6ガチャの追加という禁断の一手を繰り出しました。これは事実上ガチャの的中率を下げるという暴挙であったため、それまで必死に鬼周回していたユーザーですら離れていくという事態に陥りました。結局、課金システムの設計ミスが最後まで足を引っ張り、状況を打開することができなかったように思います。
コンテンツ不足
ユーザー離れを招いた最大の要因は、やはりコンテンツが物足りなかったことに尽きると思います。振り返ってみると、通常のステージ攻略を除くコンテンツとしては「くだけちる玉」「強敵チャレンジ」「バトケシ!」「けしコン」くらいしかありませんでした。1周年イベントで追加された「けしコン」を最後に1年以上も新コンテンツの投入がなかったのは、あまりにも寂しいものがありました。
新しいコンテンツを生み出すための開発力が不足していたように思えてなりません。収益悪化の影響で開発資金に制限があったことも原因だと思いますが、そもそも企画の段階において将来的にコンテンツを充実させていくロードマップを描けていたのか、継続的にユーザーを楽しませるビジョンがあったのかが疑問です。「ドラゴンクエストのIPを利用してひと稼ぎしよう」という近視眼的なビジョンしかなく、パズルゲームの開発力を疎かにしていたように思えます。ドラゴンクエストの世界観はよく再現されていましたし、デフォルメされたドラけしのデザインも素晴らしかったので、ドラゴンクエストとしての品質に対するこだわりは感じられたものの、パズルゲームとして面白いものを作ろうという気概が伝わってきませんでした。
ドラクエの財産を食いつぶすのはやめよう
ドラクエの過去の財産を食いつぶすようなゲームの乱発は、いい加減やめるべきでしょう。ドラクエの世界観やキャラクターは魅力的ですが、それだけで面白いゲームが作れないことは今回のけしケシとチャンピオンズのサービス終了からも明らかです。乱発されるゲームにドラクエのキャラクターたちが雑に消費され、価値を目減りさせている現状に、古参のファンとしては目を覆うばかりです。
今月発表されたスクエニの新中期経営計画では、「量より質への転換」が宣言されていました。けしケシのサービス終了はその第一歩を踏み出した証でもあり、退路を断って変革に取り組む姿勢は評価できます。しかし真価が問われるのはこれから。スクエニの力を結集して、また本当に面白いと思えるゲームを作ってくれることに期待したいです。
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