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【ライバルズ】ソロバトルアドベンチャーが失敗した理由(ゲーム品質編)

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DQライバルズエースがサービス終了となってしまった直接の原因であるソロモードの失敗について、いちユーザーの視点で分析してみようという記事です。

個人的な意見ですが、失敗の要因は大きく以下の3つだと考えています。

  • ゲームバランスの問題
  • 課金システムの問題
  • ゲーム品質の問題

前回の記事までで、ゲームバランスの問題課金システムの問題について述べてきました。今回の記事では、課金システムの問題について分析していきます。

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目次

ゲーム品質に問題があった

バグが多すぎた

ソフトウェアとしての品質の問題ですが、あまりにもバグが多すぎました。これは多くの人が感じていたでしょうし、実害を受けた人も多かったと思います。

対人戦モードではさほど不具合の報告は多くなかった印象ですが、なぜかソロモードでは不具合が頻発していました。対人戦では問題なく動作するのにソロモードでのみ不具合となるようなケースも多々ありました。これは本当に不可解です。ソロモードと対人戦ではプログラムが完全に独立しているのでしょうか。

もちろんバグが作り込まれてしまうのはある程度は致し方ないことです。納期と品質はトレードオフの関係なので、スピーディにどんどん新しいコンテンツをリリースすることを優先した結果バグが増えてしまうのは理解できます。ただそれも程度の問題で、ソロモードのバグはあまりにも多すぎ、そして修正されるまでの放置期間が長すぎでした。

さらに付け加えるなら、ソロモードのバグには次の2つの特徴がありました。

  • 発生頻度が高い
  • 影響が致命的

発生頻度が高い

ソロモードのバグは、特定の複雑な操作を行うとかではなく、普通にプレイしているだけで起きるものが多かったです。例えば、「残り時間タイマーが表示されなくなる」というバグがありましたが、これは特に変わったことをしていなくても頻繁に発生していた印象があります。「○○のユニットが△△の床の上にいる状態で□□の特技を使う」みたいな複雑な発生条件のバグがリリース後に発見されるというのは理解できるのですが、特にそういった条件もなく高い頻度で発生するバグが見落とされてしまっているのは不可解です。十分なテストができていないのではないかと疑いたくなります。

影響が致命的

ソロモードのバグは、アプリが落ちるとかゲームが進行不能になるといった致命的なものが多いのも特徴でした。例えば、ゾーマを倒した後にソロバトルアドベンチャーを開始できなくなるというバグが過去にありました。私もこのバグに遭遇して、その際はサポートセンターに連絡して解決してもらったのですが、普通のユーザーならその時点でソロモードを投げ出してもおかしくありません。

このように、影響範囲や影響度合いともに大きいバグが複数発生している状態が長期にわたって続いたことで、ユーザーにソロモードを離れるきっかけを与えてしまったことは否定しがたい事実だと思います。

バグの神・ニズゼルファ

ソロモードの至るところに数多くのバグが潜んでいた訳ですが、その中でもとりわけバグが集中的に作り込まれていたのが、試練の間のボスとして実装されたニズゼルファです。

演出が異常に長い

ニズゼルファは演出が非常に長いボスでした。ニズゼルファのテンションスキル「闇の災い」は邪神の子を2体召喚するという技ですが、なぜか1体ずつ召喚する度に約5秒の演出が入る仕組みになっていました。このせいで、テンションスキルを使われる度に2回分で約10秒の演出を見させられることになりました。

さらに、召喚された邪神の子の演出にも問題がありました。邪神の子は、ニズゼルファのテンションアップに反応してこちらの盤面にダメージを飛ばすという能力を持っていますが、このダメージを飛ばす演出が約3秒とかなりもっさりしていました。しかも盤面にいる邪神の子の数だけ演出が入るため、ニズゼルファがテンションを上げる度に大変長い演出を見させられることになっていました。

そして、ニズゼルファはやたらとテンションを上げてくるボスでした。しかも一気に2段階・3段階とテンションを上げる手段も揃っているため、1ターンの間にテンションスキルを2回使ってくるようなケースもザラにありました。こうなると本当に地獄です。邪神の子の召喚シーンが4回、邪神の子がダメージを飛ばすシーンが10回みたいに繰り返し何度も演出が発生し、それだけで1分以上も時間を奪われることも。自分の攻撃シーンの演出ならまだしも、敵の攻撃シーンの単調な演出をこれだけ長時間見させられるのは本当に苦痛でした。

こちらの持ち時間が奪われる

しかし、ニズゼルファの真骨頂はここからです。敵のターンで演出が長時間に及んだ場合に、その後のこちらのターンの持ち時間が短縮されるというバグが潜んでいたのです。実は敵のターンにも持ち時間が設定されているのですが、この持ち時間を使い切った上でそれ以上に演出が発生すると、その演出で消費した時間が次のこちらのターンの持ち時間から差し引かれるというバグでした。普段はあまり意識することのないバグですが、ニズゼルファのように演出がやたらと長いボスとの戦いでは顕在化することになってしまったということです。

このニズゼルファの”時間攻め“は非常に凶悪でした。酷いときはこちらの持ち時間が0秒にまで短縮され、こちらのターンが開始した直後に敵のターンが開始するということもありました。また、そこまで酷くない場合でも、自分の持ち時間が相当削られて本来やりたいことができないケースが多発。先にも述べた「残り時間タイマーが表示されなくなる」バグとの相乗効果によって、本来の持ち時間よりもかなり短い時間で突然自分のターンが強制終了するという事態も頻繁にありました。自分のターンがいつ終了するかわからない恐怖との戦い。もはやゲームとして破綻しているレベルの酷い有様でした。

ニズゼルファで脱落したプレイヤー多数

ニズゼルファはただでさえ超強力なボスでした。ひとつ前に試練の間に登場したシドーも強かったですが、それと比較しても差は歴然。ちょうどこの頃はアンクルホーンを禁止カードにするのを断念するという騒動があり、ボスのインフレが進んでいたときでした。

この強すぎるニズゼルファとの戦いに、上述のバグが重なった結果、全く勝つことができずに脱落したプレイヤーは多かったものと思われます。私自身も、ニズゼルファのLv20に勝つまで丸1日以上かかりました。バグによって理不尽な敗北を喫することも多々ありました。このような攻略ブログを書いていなければ途中で投げ出していたかもしれません。ニズゼルファがソロモードプレイヤーの人口を減らす契機のひとつになってしまったのは疑いありません

ちなみに、ニズゼルファの次に試練の間に登場したネルゲルは、一気に弱くなって大変戦いやすいボスになっていました。運営としてもニズゼルファはさすがにやり過ぎだったと反省したのでしょう。ただ、一度離れてしまったプレイヤーを引き戻すのは難しく、ダメージは大きかったのではないでしょうか。

オートプレイが使えない

ソロモードは初めてライバルズを遊ぶ人向けとされていました。初心者の方はまずソロモードでデジタルカードゲームの基本を学んでほしい、といったようなメッセージが運営からも発信されていました。その初心者を支えるために用意されたのがオートプレイです。これを使うとAIが自動で戦ってくれれるので、初心者はそれを見て参考にすることでライバルズが上達していくという狙いでした。

オートプレイの存在自体は良かったのですが、あまりにもAIの質が悪いのが問題でした。例えば、本来は前列に配置しないと効果を発揮しないユニットを後列に配置するといった悪手を平然と繰り出します。これでは、初心者にとっては何の学びにもなりません。ライバルズに慣れている人にとっても、自分で操作するのと比べてプレイ効率が悪すぎて使い物になりませんでした。

巨大すぎるダウンロードファイルサイズ

ソロモードがスタートして以降、アプリ更新時のダウンロードファイルのサイズが急激に大きくなりました。2000~3000MBくらいの更新ファイルのダウンロードを月1回くらいの頻度で要求されていました。

確かに、1つのアプリの中に対人戦モードとソロモードという2つのゲームモードを抱えたことでサイズが大きくなるのは理解できます。ソロモードリリース後の初回更新で巨大なファイルをダウンロードするのはやむを得ないでしょう。しかし、その後の差分更新の度にこれだけのファイルサイズをダウンロードさせられるのはちょっと理解できません。アプリケーションの構造に問題があって、本来は更新不要なファイルまで毎回ダウンロードさせられているのではないかと思ってしまいます。

ライバルズは美麗な演出が魅力のゲームなので、その分データサイズが大きくなりやすいという事情があるだけに、軽量化できるところは軽量化することにこだわって欲しかったです。容量不足でスマホにダウンロードできなかったとか、ダウンロード中に通信エラーになって更新を諦めたみたいな話をちょくちょく聞くだけに、これがユーザー数減少の遠因になっていたのだとすると残念です。

バグ対応に追われてコンテンツ開発が遅れた?

ソロモードはコンテンツの少なさが際立っていました。メインシナリオと試練の間しかなく、コンテンツの少なさを補うかのようにメインシナリオのステージ数が章を追うごとに増加。特にステージごとにイベントが発生したりすることもなく、ただモンスターと戦うだけで、やらされている感が強かった印象です。また、試練の間も最初はレベル5まででしたが、あるタイミングを境にレベル20、そしてレベル25と拡大。これもコンテンツの少なさを補うための措置だったと思いますが、毎回レベル1から順番に倒していかなければならず、やはりやらされている感がありました。

メインシナリオも試練の間もクリアした人がやることと言えば、レベル上げのためにひたすらステージを周回することのみ。レベル上げをしていて、ふと我に返ったときに「なぜこんなことをやっているのだろう…」と虚無感を感じることもあったのではないでしょうか。

恐らく、ソロモードリリース当初は新規コンテンツ追加の計画もあったのだろうとは思います。ただ、ソロモードでの売り上げの不振により開発予算が抑えられた結果、優先度を下げざるを得ない状況だったのでしょう。バグが大量発生したことで、限られた工数をバグ修正に割かなければならなくなったことも少なからず影響があったと推測します。コンテンツ開発の遅れによってユーザー数と売り上げが減少し、開発工数が削減されてますますバグが増え、コンテンツ開発がさらに遅れる…といった負のスパイラルに陥っていたのではないでしょうか

まとめ

ここまで、3記事にわたってソロモードの失敗原因について勝手に分析してみました。ソロモードを遊んでいる中で不満に感じたこと、心配になったことを起点にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。もし、他にもこれが失敗だったのではないか、などのご意見がありましたら是非コメントをお願い致します!

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  1. もうランクマ引退されましたか? より:

    デバッグにあまり予算を割かなかったのかもしれませんね。デバッガーはあまりスキルが身に付かない仕事ですが、これをみるとゲームには欠かせないんだなーと思いました。

    ニズゼルファの件は、当時やってなかった人が読む分には笑える話でした。まさに「過ぎ去りし時を求めて」って感じですね苦笑

    • けい坊 より:

      デバッグが足りていなかったというのは間違いなさそうです。普通にプレイしていれば絶対に気づくような目立つバグが多数残存しているということがその証左と言えます。
      ニズゼルファは結局復刻されることはありませんでしたね。笑

  2. tetsuya より:

    いつも深く考察されている記事を拝見させて頂いております。
    大変興味深い記事ありがとうございます。
    個人的には、英雄カードを錬金可能にしたのも失敗だったのではないかと考えております。

    • けい坊 より:

      コメントありがとうございます。
      英雄カードの錬金は思い切った施策でしたが、裏目に出た印象でしたね。
      英雄カードでの収益が下がってもソロモードで取り返せる、という目論見だったのでしょうが、肝心のソロモードにあまりにも杜撰さが目立ちました。

  3. 名無し より:

    ニズゼルファはまさにバグの神でしたね。私もニズゼルファだけはLV20まで倒せませんでした。モグラが点滅しだしたりいてつくはどうとかが一体一体演出が入ったり、意図的に遅延しているとしか思えないバグで当時は笑えませんでしたw
    今のインフレした環境でもう一度戦ってみたいと思いましたが復刻はされないでしょう…勝てたとしてもあのストレスはもう味わいたくないw
    他にもかがみもちとかサンタ様とか各種リーダーとか、試練の間のボスは全部復刻してほしかったのに残念です。

    • けい坊 より:

      ニズゼルファは結局復刻しませんでしたね。
      個性的なボスなので、バグを直してもう少し遊びやすくした上で復刻して欲しかったですが、バグを直すのが想像以上に大変だったのかもしれないですね。

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